「さがつく木のインテリアデザイン創出事業」リノベーション物件完成

県では、著名なデザイナーのデザイン力を活用して、商業スペースや公共施設等を「木のインテリア(家具を含めた内装空間)」によりリノベーションを行い、県産木材の付加価値向上を図る「さがつく木のインテリアデザイン創出事業」を実施いたしました。
つきましては、当事業によりリノベーションを行った物件を、御紹介致します。

[ KOWA CONSTRUCTION ]

Before

 

デザインコンセプト:KOWA LOUNGE
事業推進に貢献するオフィスの象徴空間

オフィスの中心的となる場所を、
来客だけでなくスタッフもゆったりと
落ち着ける
ラウンジとしてリノベーション。

レセプションやキッズスペース、
ライブラリといった複合的な機能を持ち合わせ

打合せや商談にも使える空間に。
ぬくもりを感じられる県産木材によってつくられたこの空間は、
居心地の良い企業ブランディングスペースとなる。

After

- デザイン監修/OpenA 馬場正尊 -
- 設計・監理/OpenA 大橋一隆 -
- 施工/株式会社孝和建設一級建築事務所 -
- 建設地/佐賀県唐津市原1471-1 -

[ MITSUSE CUBE ]

Before

デザインコンセプト:MITSUSE CUBE
[完成した空間]ではなく、作り方・関わり方をデザインする

プロに学びながらの作業はもちろん、
材料発注や業者打合せ等できることは

できるだけ施主であるムラークの皆さんに
関わっていただきました。

SNSでの状況公開や、
工事中の現場での地域イベント、
他の団体との
作業交流など、
多くの人が関わる機会を設け、
工事そのものが

地域との交流の場ともなりました。
(実は未完成で、工事はこれからも続きます。)

After

 

- デザイン監修/OpenA 馬場正尊 -
- 設計・監理/スムコト設計 満原早苗 -
- 施工/岡住建・NPO法人Murark -
- 建設地/佐賀県佐賀市三瀬村三瀬2769-1 -

[ SAGA Prefectural Office ]

Before

デザインコンセプト:EN・えん

焼き物やバルーン、みかんや玉ねぎ、
丸ぼうろなど、
佐賀の
土地にはたくさんの円が存在しています。
この部屋は、県庁への
来訪者や県庁職員が
ミーティングや待ち合わせなどに使うことで、

たくさんの『縁』が生まれる場所です。
Sの形をしたルーバーや、
何人でも対等に座ることができる
3つの
大きさのテーブルなど、
ほとんどの部分に曲線を使い、
壁や天井に
木材を張ることなく
木質化された空間をデザインしました。

佐賀の空気で育った木と、佐賀の文化と、
佐賀の技術が
「EN・えん」という
空間全体を構成しています。

After

 

- デザイン監修/OpenA 馬場正尊 -
- 設計・監理/川﨑建築都市研究所 川崎康広 -
- 施工・家具製作/諸富家具振興協同組合、レグナテック株式会社 -
- 建設地/佐賀県佐賀市城内1丁目1-59本館1階 -

[ SAGA Prefectural Office ]

Before

デザインコンセプト:TSUM・つむ

佐賀の産業を支えた登り窯や反射炉には
レンガが使われ、

日本最初の建築家と呼ばれる佐賀出身の
辰野金吾もレンガという
素材を
多用しています。

この部屋は、
佐賀から世界へ発信された文化の蓄積を、
先人から
受け継いだ佐賀の山林で
生産された木材を使って表現しています。

3つの大きさのスペースを区切るパーテーション
は、一定の隙間を
設けた木材のレンガ積み
とすることで、
各部屋のほどよい領域を
創ると共に、
高階層の気持ちのいい光と風が抜けるよう

デザインしました。

After

 

- デザイン監修/OpenA 馬場正尊 -
- 設計・監理/川﨑建築都市研究所 川崎康広 -
- 施工・家具製作/福田建設株式会社 -
- 建設地/佐賀県佐賀市城内1丁目1-59新行政棟10階 -

 

佐賀県産木材を使った、木の香りただよう素敵なモデルルームが出来上がりました。
リノベーション物件については、モデルルームとしても活用されますので、
皆様の御来場をお待ちしています。

駅東自治会公民館に塚原会長を訪ねる

 駅東自治会公民館は木造平屋建である。大壁仕様で柱は見えない。壁はクロス張りで床はナラの合板のフローリングである。


 壁の中の隠れて見えない構造材は全て唐津から供給された樹齢43〜45年の杉や檜材が使われた。
 一口に木造建築といっても真壁仕様は現在では稀有である。真壁は日本の伝統建築に多用されいわゆる「和風」と言われるものである。
 ところが戦後、日本人の住環境は一気に西洋化が進む。
それはライフスタイルを変化させ洋室化がトレンドになっていった。それは空間が大壁仕様に変わっていくことを意味している。


 柱は意匠性を失い、かつての様に角材の大きさや黒檀、紫檀など床柱の樹種を競うこともなくなった。床柱といえば、有名な北山杉の需要も激減したと聞く。最近の家の中から書院が消えたからだ。畳部屋も減った。それゆえ畳表の生産も減り,い草の産地も厳しい状況にある。コスト競争の果てに大半は中国から輸入されているという。


 生活様式の変化は一つ一つの使用部材まで多大な影響を与える。
 私事ではあるが先頃、10年間住み慣れた上峰から鳥栖へと居を移した。
 上峰の借家は和洋折衷のいわば現代風和風住宅だった。一階には畳の部屋が三つあって
 すべて真壁仕様だった。一階のリビングと二階の3室はフローリングを伏せた大壁仕様の洋間であった。
 合わせて6LDKで考えてみればワイドな住環境に暮らしていたものである。
 ところが鳥栖のマンションは3LDK。生活はワイドからコンパクトへ180度の大転換である。
 3LDKのマンションは6畳の畳部屋が一室とフローリング貼りの洋室が二部屋と12畳程度のリビングだが壁の仕様は全て大壁である。
また木と「思しきもの」は床と幅木そして建具と建具枠くらいである。何故「思しきもの」かと言えば、すべて偽木だからである。
 考えてみればこの公民館で目にした床もそれであった。
県産木材の利用推進の意味からフローリングにも無垢の杉を使って欲しかった。
 いや、使うべきだった。その時地産地消に意味が生まれる。郷土愛である。
 「三尺下がって師の影を踏まず」という奥ゆかしさも日本人の琴線に触れる美意識だが佐賀県内の公共施設の床をすべて県産杉のフローリングを貼り詰めるくらいの大それた夢を見たい。
 確かにコスト優先は避けがたい。
 しかし私にはそれにも増して優先されるべきものがあると思えるのだが。
 かつて床柱の樹種を競った時代にあった贅やゆとりといった言語は現代ではほとんど意味を持たなくなったようである。
 そんな時代ではないということなのだろうか。
 「ウザイ」とゆとり世代の嘲笑が聞こえる。
 最後にお忙しい中、取材を受け入れていただいた塚原会長に深く感謝申し上げます。

~最終章完結~関光放浪記第6章より

家具産地諸富に学童机椅子の変遷をたずねる

 民主党政権の時代に国は公共施設の木造・木質化目標を掲げた。
 自治体は挙って林業の再生に向けて懸命になったが、その結果は決して一律ではなかった。これまで県内の多くの公共空間を見てきたがその感は否めない。
 そんな中で佐賀市の公共空間の木造・木質化の取り組みは県内では群を抜いている。
 市産杉を使った木製の学童机・椅子の普及も同様に進んでいる。
 この普及率の向上は子供たちに対する情緒的な好影響をはじめ、森林の荒廃を防ぐ一助にもなる。地産地消にもなる。
 特に学童机・椅子の開発に関しては国の目標を達成すべく佐賀市教育委員会をはじめ諸富家具振興協同組合など関わった部署は実におおくの時間と試行錯誤を重ねた。杉は元来柔らかく傷つきやすい。つまり耐久性が低いのだ。ふと一昨年訪れた、福島県の郡山市の国指定の重要文化財である旧安積高校の硬いナラ材を使った机と椅子を思い出す。
 この「柔らかい」を解決するために圧密加工や構造の簡略化など度々試作を重ねた。
 しかも床に傷がつかないようにまた音がしないように脚の下にはフェルトを付けた。
 しかし、たびたび動かされることによって剥がれた。
 すると脚部の一部に彫り込みを入れそこにフェルトを貼った。
 今後はより抵抗を防ぐためにフェルトの形状を円形にするとメーカーさんの話である。
 中々、一筋縄ではいかない。
 「あっちがたてばこっちが立たない」
 逃れることができないプリミティブな難題である。
 つくづく商品開発は難しい。
 杉の「柔らかい」を解決するためだけでもこんなに苦労する訳である。
 他に考えられる課題は強度や重量、コストなど解決は複層的で困難が予想される。
 もとより開発には一つでも多くの意見を反映することが求められる。
100人、いれば100通りの意見がある。「柔らかい」ということを短所とするのもその中の一つであった。一方には、「柔らかい」は素晴らしいという意見もある。


 材料の供給から製作に至るまで多くの人たちの協力によって生まれた諸富製の木製の学童机・椅子が最初に導入されたのは今から10年前の平成19年度に佐賀市立小中一貫校北山校であった。爾来、今日までおよそ3000セットが導入された。そして、諸富家具振興協同組合に問い合わせたところ細部は多少異なるものの現在、生産されているのは概ね写真のものである。なかなかシンプルでモダンである。
 これがこの時代を反映した学童机と椅子である。

関光放浪記第5章より

黒田木材商事株式会社に白濱creative directorを訪ねる

 かつての富士大和森林組合の製材所は現在黒田木材商事株式会社が製材事業およびチップ製造事業を展開している。
 従来の森林組合は木の伐採事業が主で、木材流通販売の内の僅かな機能しか持っていなかったしニーズの動向には疎かった。また、林業が盛んな時代では、それで何一つ問題はなかったわけである。然し、材価低落の事態を受け、森林を頂点にしたあらゆる川下の産業が疲弊崩壊するにいたってその存在理由或いは価値が加速度的に崩落していった。
 平成28年5月富士大和森林組合の製材所は黒田木材商事に譲渡された。
 ニーズの多様化に対応できなくなっていた製材機も一新して競争力のあるものに変えた。
 それを白濱さんはstrike zoneの絞り込みと言った。
 流行しやがて無目的化していった多目的ホールの誤謬(ごびゅう)を思い出す。
 多目的には「どっちつかず」で「中途半端」という弱点がある。
行政にとって公益性は最重点課題である。つまり広く浅くが旨であり、それ故にstrike zoneは限りなく広くなる。悩ましいパラドキシカルな命題であるが、行政の陥りやすい難題である。
 投網漁のようなものである。何でも獲れる代わりに本当に欲しいものはその中の僅かな量を占めるに終わる。何処も満足は得られない。
 ところが今のマーチャンダイジングではstrike zoneを狭め、より精緻(せいち)なコントロールが求められている。それには多くの経験や知的集積が欠かせない。勇気もいる。
その上で、それらの知的集積を普通に使いこなす。何も難しくはなさそうである。
 しかし、今ではその普通が困難な場合が多い。白濱さんの言辞は何も特別ではなく当たり前のことを普段通りにすることの重要性を説いている。市場の変化にflexibleに対応する。とはいえそれは迎合ではなく独自の哲学を背景に筋の通った戦略である。同時に地域密着と適材適所を基本にした戦略でなければならない。
元来、組織には「紺屋の白袴」というか狭小な呪縛に支配されやすい体質がある。
自身の姿を見失う。
故に客観的に外から見た目が正しい場合が多い。
 
 さて、黒田木材商事に譲渡された旧製材所に新しくプレカット工場が建てられている。


 それはATAハイブリッド構法という新しい木造建
築の構法で建てられている。この構法は昨年紹介した石橋建築事務所のBP(Binding Pilling)構法のように継手の代わりに鉄板を使いボルトで結合するというものとは明らかに異なる。
 この構法の開発者はライト兄弟が世界で初めて空を飛んだライトフライヤー号の翼の構造からヒントを得たと聞いた。
セールポイントには「同工法は木の良さを生かしながら、木の弱いところを金属で補う高性能トラス&張弦梁です。

一般流通材のみで 33mの大スパンを可能とする画期的な工法であり、保育園、クリニック、高齢者施設等は勿論のこと、コストが高い大断面集成材でないと対応が難しかった、スーパー・工場・倉庫・作業所・店舗・牛豚舎等の対応も可能となり、木造の可能性が大きく広がりました。」とある。
 私見を挟めば「緊張感のある色気のある構造」に見えた。何故「緊張感」を感じたかは
あまりにも華奢な感じがしたからだろう。
「空気より重いものが飛ぶはずはない」と言われていた時代、ライトフライヤー号の主翼の構造も等しく華奢である。
だが、そのフォルムは美しい。


 この構法の普及は木の可能性を広げ、ひいては木材の利用推進に繋がりそうな予感がする。
林業が面白くなりそうだ。

最後に長時間、取材に応じていただいた白濱creative directorに心より感謝申し上げます。

関光放浪記第4章より

佐賀市立小中一貫校富士校中学部を訪ねて

 今回は老朽化により平成26年校舎一棟を解体し新校舎に改築された佐賀市立小中一貫校富士校中学部を訪ねた。


 この学校がある富士町は脊振山系の西域に位置し古湯から熊の川に連なる温泉郷にある林業の町である。
 そこに新しい木造二階建ての校舎が建った。
 その校舎は森林に囲まれた景観に溶け込むように静かに立っている。
 建物はそもそも建築家の独善の強要ではなく、あるいは自己顕示の具でもなくむしろ景観に配慮しあたかもその一部であるかのように謙虚なものでなければならないはずであった。   
 その佇(たたず)まいは至ってプリミティブ、一切の虚飾は排除されてさながら昭和のそれも初期の原風景を見るようである。
 工事概要を見ると「建物の特徴」として「新校舎は、佐賀市の木材産地である富士町内の学校建設事業のため、地域風土を活かした木造校舎とし、内装の床や腰板等に木無垢材を活用した工法を取り入れている。校舎への木材利用の効果として、木質空間による子ども達のストレス緩和、居心地の良さなどをはじめ木の吸放湿性能による室内の湿気対策が期待できる」とある。
 木材使用量については実にその総量の83%が佐賀市産材が占めているという。


無垢材をふんだんに使ったこの木質空間は子供達の情緒に数値では表せないものの確かに大きな影響を与えているとご案内頂いた井上英史教頭先生も強調されていた。
 それは学校空間の研究で著名な愛知教育大学の橘田名誉教授のRCと木造との空間内における子どもたち達への影響についての比較研究論文にあるように木質空間の優位は明らかである。ただ情緒への影響と一口に言ってもそれは極めて抽象的な計測不能な領域でもある。
結露も無いという。木の持つ吸湿性のなせる技である。
 またこの学校全体が杉の香りに満ちていたことも感動的であった。
自然の香りである。やはり木は生きている。富士校中学部、ここは自然いっぱいの快適な教育空間であった。少なくともIT革命の落とし子のような無機質で画一的な良い子ではなく心豊かで個性に富んだ良い子が輩出される予感がする。


 とは言え、学校建築はコスト優先主義を背景に木造を忌避する傾向にある。
 そこで自論の繰り返しになるが目の前のコストに捉われがちな近視眼的な考え方ではなく遥か遠くを見渡すパースペクティブな視座が重要だと考えている。
かつては重いと批判が相次いだ木製の机は以前に比べると随分軽くなっていた。
 しかしその分天板の硬度は落ち傷付きやすくなった。そもそも木という素材は触れる事で温かさを感じるものだが。
 傷防止用のビニールマットが天板の上に伏せてあった。
 問題は重量と硬度の関係である。折り合いは付きにくい。
 全てを満たすものなどあるはずもない。
 不足は人が我慢するか補えば良い。

 何れにしても学校空間の快適化は未来への重要なmilestoneである。
 明るい未来の為に学校空間の快適化を急ごう‼

 最後にこの度の取材活動にご協力いただいた佐賀市立小中一貫校富士校中学部の直塚裕典校長先生をはじめとした先生方、そして生徒の皆さんに心から厚く御礼を申し上げます。

関光放浪記第3章より

西部木材工業 福田専務を訪ねて

~林業と製材業と家大工の関係について~

 今、日本の住宅業界では切妻や寄棟といった在来工法や伝統工法が深刻な崩壊の危機にある。
 それらの建物は中心を失いあたかも浮遊しているようで安定感がない。
 この現象を一言で言えばデザインからアートへの変向と言うのだろう。
 つまり、デザインがバランスを基軸にシンメトリーを多用してきた歴史を捨て或いは逸脱してどこか危うさの漂う芸術へと舵をきったということである。
つい先頃、久留米の古刹を訪ね、苔むした一群の切妻や寄棟の伝統的神社建築を目の当たりにした。その威容は実に堂々として荘厳であった。
比較の対象とは言えないがそれに比べると中心を失いチープな様を呈する現代住宅は情けないほど趣がない。
 「和」という言語で括られる日本の文化とは一体何なのだろう?
 またそこで度々語られる「本物」とは?
 現代文化は張り物文化である。どこを見ても張り物が溢れている。FAKEが跳梁跋扈している。果ては、木造建築と標榜するが、一本の木すら見えない家がある。そこに本物を見つけるのは困難である。
 ところで、これから先、果たして期待通りに家は建ち続けるのだろうか。
 少子高齢化社会の到来はそんな淡い期待を阻む。
 加えて主なき空き家は増加の一途をたどり、景観は朽ち果てていく。
 だとすれば、建物を立てる事にかまけるより建物の価値を維持継続するための手段や方法について検討することが重要だと思う。
 しかもアントニオ・ガウディのサグラダファミリア教会ではないが完成させるのではなく彼方にある完成に向けて作り続けていく、つまり常に進行形の発想も必要になっている。
 加えて、修復に25年の歳月を要すると言われている久留米の梅林寺の修復工事を見て修復の重みも痛感した。
 近代建築が繰り返してきたスクラップド アンド ビルドという破壊と新築というサイクルではなく英語で言うrestoreの、更新や維持が重要な意味を持つ。
 その為の素材開発やスキームの構築が喫緊の課題といえる。
 そうした抜本的な意識改革が徹底される時、日本の住宅建築の新たな骨格が見えてくると思う。


 ただその時、化学の力を借りひたすら不純な不燃性や堅牢性に集中するのではなく木という素材の特性を歪めることなくそれを当たり前のことと受け止めた上で建物と向き合うことの方が健全だと思う。
 県が進めた「クリーク対策事業」の意義や効果については何の異論はない。
 しかし、一気呵成に樹皮を剥いでいく皮剥ぎ機の過激な動きが脳裏をよぎる。それは仕口を駆使する繊細な宮大工の作業とは異次元の一切の情緒を排除する近代文明の理不尽な振る舞いが垣間見える。


 土木資材としてではなく、建築資材として一層の拡販を期待するのであれば
 現代の住宅建築に潜む中心の喪失と完成と仕事の持続性の関係についてもっと言えば
 日本文化とは何なのか?日本とは何なのか?を再考しなければならない。
 石は積み上げる。木は組み上げる。
 西欧と日本、文化の基本には大いに違いがある。しかし完成は滅びの始まりであり、
未完に滅びは無い。それは洋の東西を問わない。
最後に長時間お付き合いいただいた福田専務に感謝申し上げます。

関光放浪記第2章より

「木材を使った家具のデザインコンペ2016」で入賞したアイディアに見る耳寄りな話

■既成概念は革新を阻む
Living & Design展に合わせて開催されていた日本デザイナー協会が主催する「木材を使った家具のデザインコンペ」の入賞作品展を取材する。なかでも秀逸であったアイディアを紹介したい。
今までの考え方や概念では不要なものが予想外の希少価値を生み、爆発的な結果をもたらすことがある。
これは黒板ではなく「もくばん」である。中心部が黒い杉が稀に抜出されることがあるらしい。
しかし、それは概ね不良材として放置されやがて朽ち果てていく運命にある。
ところがこのアイディアはそんな哀れな運命を辿る邪魔者を使って黒板などを作ると云うアイディアである。
おそらく、たまたま根を張った場所の土壌に豊富な鉄分が含まれていたのだろう。成長の過程で導管を通って吸い上げられた鉄分を含んだ水が木の内部のタンニンと反応して黒くなったのだと思われる。
私はかつてタンニン鉄の発色似ついて久留米高専の応用科学教室と組んで研究したことがある。
その目的は筑後市にある日本一の含鉄泉として知られる船小屋温泉の温泉水を使い家具開発に〓げるためであった。杉材の発色は希少価値として知られる神代(じんだい)杉(すぎ)の色目と酷似していた。
神代(じんだい)杉(すぎ)は長い時間土中に埋もれている間に土中に含まれた鉄分などの物質が浸漬した結果、渋い鼠色を発する。それは希少価値で市場では高額で取引されている。我々の研究は神代(じんだい)杉(すぎ)で起きた現象を人為的にしかも短時間に発生させるという物であった。
その技術を確立することによって価格の低落に苛まれ低迷する大川家具の高級化を図ろうとした。
しかしながら、その技術には酸性に対して極めて脆弱であるという弱点があった。
酸性物が氾濫する現代の社会環境で商品化は困難であった。今もその問題は未解決である。
この「もくばん」アイディアもやがてこの問題に突き当たるだろう。
しかし新製品開発の情報はこうしたニッチに潜んでいる場合が多い。
その情報をただ見逃すのか、そこで立ち止まり先にある物を透視するかでは天と地ほどの差が生じる。
不要な物がデザインに出会う時予想外のbreak throughが生じることがある。看過や廃棄の前にその是非について考えてみることは重要である。
産業の再生には近視眼的な発想ではなく遥か彼方を見通す発想が必要である。ただ切るだけの、あるいは切ることで発生する不安定な価格に期待する現在の構造から切った物にいかに付加価値を付けるかという視点で構造を改革すべきだと思う。
つまり既成概念や習慣から離れて今一度、生業についてあるいはその未来について考えなければいけないと思う。
またそれは何も林業に限ったことではない。
最後に言っておくが黒杉やスポルテットは要らぬ物にあらずデザインのエレメントとしては誠に優である。

関光放浪記第1章より

主催:公益社団法人日本インテリアデザイナー協会
https://medium.com/fraze-craze/compe2016-res-a44309f33444#.iuqwezgxe”

「よかウッドフェスタ」を開催しました。

11月13日(日)、佐賀市天神のどん3の森広場、アバンセホールにおいて、佐賀県及び公益財団法人さが緑の基金の共催により、「よかウッドフェスタ」を開催しました。

当日は、佐賀県花づくり推進協議会主催の「佐賀県フラワーフェスティバル」も、同会場にて開催され、秋晴れの天候のなか、子供から大人まで幅広い年代のお客さんで賑わいました。
屋外会場であるどん3の森広場で、大町聖太鼓による和太鼓演奏で幕を開け、木工工作やかんな削り・シール作り、バームクーヘン作りなど県産木材とふれあう体験コーナーを開設したほか、県産木材を利用した棟上げ実演・餅投げ、チェーンソーアートの実演、県産原木しいたけの試食・販売、さがの樹(苗木)のプレゼントなど様々なイベントを実施しました。

また、屋内会場であるアバンセホールでは、佐賀県緑化功労者等の各種表彰が執り行われ、午後からは植村花菜トーク&ミニライブで盛り上がりました。

なお、今年度は初の試みとして「佐賀県フラワーフェスティバル」との共催イベント「木工体験と花の寄せ植え教室」を開催したり、例年人気のブースの他に「苔ぼっくり作り/積み木コーナー」、「左官実演及び体験コーナー」などを新設しました。
来場者の方々は、様々なコーナーで、思い思いに県産木材や緑とふれあいながら、木のぬくもりや木の良さを実感されたことと思います。
よかウッドフェスタの参加を契機に、多くの方々がふだんの生活の中でより一層、県産木材の利用や緑への愛着を深められることを願います。

佐賀県林業課 藤原

第7回「佐賀県きこり選手権」を開催しました。

10月22日(土)、神埼市脊振町(市有林、高取山公園)において第7回「佐賀県きこり選手権」を開催しました。
当日は、あいにくの雨模様でしたが、競技選手の皆様は、安全に特に配慮し、競技に参加されていました。

競技は、世界伐木チャンピオンシップ(WLC)の競技基準を参考に審査が行われるもので、今年は、県内の森林組合や林業会社など14団体が参加し、伐倒競技、丸太切り、   丸太切りリレーの3種目を行いました。さらに上位5チームで枝払い競技を行い、入賞  チームを決定しました。今回の結果は、優勝:太良町森林組合、2位:佐賀東部森林組合、3位:東部林業(株)となりました。

また、競技の合間に催された、日本伐木チャンピオンシップに参加されている、太良町森林組合所属の坂口さんによるソーチェーンの脱着や接地伐りの妙技も圧巻で、参加者の皆さんも感心されていました。
佐賀県きこり選手権も7回目を迎え、選手の伐倒、造材等の技術もさることながら、防護服の着用や的確な指差し呼称等の安全確認動作が徹底されており、安全に対する意識もさらに向上してきております。

今後も選手の皆さんが切磋琢磨し、2年に1度開催される日本伐木チャンピオンシップの入賞や、WLC世界大会に出場できる選手が現れることを期待します。

最後に、今回参加いただいた選手の皆様、応援していただいた皆様、並びに、開催に   当たり会場設営、競技運営にご尽力いただいた神埼市及び佐賀東部森林組合や審査員の皆様、お疲れ様でした。ありがとうございました。

佐賀東部流域森林・林業活性化センター事務局:東部農林事務所