森林活性化元年
NPO調和の森理事長 大草 秀幸
すっかり春。ほどなく山野はまぶしいほどの新緑につつまれます。日本の国土の7割は森林です。世界でもフィンランドに次ぐ「森の国」なのです。豊かな森につつまれた列島は、国土の健全さを象徴するようでもあります。でも、果たしてこの国の森林は本当に健全なのでしょうか。私の知るところ、日本の林業がそうであるように、森もまたあえいでいるように思えます。佐賀県の森林面積は11万400ヘクタールを超えており、県土の45%に当たります。森林の内容を見ると、民有林が9万4500ヘクタール、国有林が1万5900ヘクタールだそうです。また、人工林が66%、天然林が25%、竹林その他が9%の割合です。なかでもスギ、ヒノキがほとんどの人工林が、森林に占める割合は全国一なのです。
森があえいでいるようだと言いましたが、それは森林の状態です。戦後、盛んに行われた植林によって生まれた人工林のスギ、ヒノキは、今日、5割強が伐採適期を迎えているのです。それに対し、安い輸入木材に押されて森林所有者の山離れが進み、後継者難と高齢化とによって森林の荒廃が進んでいます。それでも人工林は資源の蓄積は進みます。
木材価格が安い。山に入れば入るだけ林業者は赤字になると言われてきました。しかし、この豊富な林産資源をいつまでも放置しているわけにはいかないのです。もっと間伐を実施し、森の活性を高め、疲弊した森を元気にしなければなりません。7月に開催される北海道洞爺湖サミットの最重要テーマは地球温暖化対策です。ことしこそ日本の、佐賀県の「森林活性化元年」なのです。