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「神々の國しまねの木」と謳った島根県の取り組みと林業の未来2014.OCT.15~17 LIVING & DESIGN OSAKA 2014

ブログ 2015.01.09

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島根県と云えば大国主神や因幡の白兎伝説、そしてこの程平成の大遷宮を終えた出雲大社とまさに神々の国です。
右はその島根県のプロデュースにより県内の林業関係者が合同出展していたブースの写真です。
今年も例年のごとく、とても広いブースで販路開拓に対する並々ならぬ意欲がうかがえます。

展示内容も家具に建具そして建材などと実に多様でした。

例えば下の写真。

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これは約10mmtの杉材をやはり10mmtくらいの美しい檜の柾目材でサンドウイッチにした積層合板のディティールです。
杉材の横はぎも木表、木裏を交互に接ぎ合わされて木口の美しさにも十分配慮された逸品でした。おそらく杉の弱点として指摘されがちな柔らかさを活かすために積層されたに違いなく、その上を歩く人にとっては独特の感触を足裏から感じるに違いありません。
そもそもプロダクトは面倒を排除しがちですが、さにあらずそれを厭(いと)わずに製品化した努力に拍手です。

杉と檜。
それぞれの木が持つ特徴を活かすにはどうすれば良いか。
その可能性の追求に向けた努力がこうした素晴らしいアイディアを生んだに違いありません。
やはり使う人への配慮を忘れてはいけないのです。

物作りとはかくあるべし。

ところが多くの物作りの現場では出口の見えない戦いが日々続いています。
それは脇目も振らず、ただひたすら成長を願い挙句に質ではなく量を求めた企業が至る当然の結末だとも言えます。

この島根県の取り組みを見ながら林業のみならず日本のあらゆる産業は今一度、物とは一体誰のためにあるのか。

そこに立ち返る必要があると痛感させられました。その先にしか未来は見えてこないようです。

島根県では他にも竹の局面を平面にする加工技術などもあると聞きます。
さすが神々の国。

島根には自然の恩恵を余すことなく有効にする「打ち出の小槌」があるのかもしれません。

最後にこのBLOGのために写真の提供など協力いただいた島根県林業課の皆様に厚く御礼申し上げます。

ありがとうございました。