熊本伝統工芸館 「第11回九州杉デザイン連携研究会」に参加して
そもそも九州杉デザイン連携研究会とは、九州・沖縄地域の公設試験研究機関が連携し、九州の杉等に関わるデザインの研究開発と地域産業振興等を推進することがその会の目的です。
当研究会では、九州の杉等の積極的活用に向けて企業や関係機関、大学などとの連携も盛んに行われているようです。
今回は、福岡県工業技術センター大川インテリア研究所と大川の?ウエキ産業との連携による学童机と学童椅子についての成果発表がありました。
それは天板や背板にCLT※(Cross Laminated Timber)といわれる直交集成板を使い、構造部は鉄製のパイプを使用したものです。
木部がこれまでの学校の机と椅子に使用されてきた積層合板からCLTに代わっただけと言えなくもありません。しかし代替技術の進化も森林資源の有効化に向けた重要な取り組みの一つであることには異論はありません。
福岡県工業技術センター・大川インテリア研究所/提供
ところでこの程ネットで配信された話題のCLTについての記事です。
「CLTは欧州で開発された建材で、海外では、マンションや商業施設の壁、床に利用される等、急速に普及が拡大し、わが国でも間伐材や伐採適齢期を迎えたスギ等の国産木材の有効活用につながる新建材として注目され始めています。」とありました。
それゆえ林業復活の切り札と言われる訳です。
そこにCLTを某建設大手が使用したこともあってにわかに脚光を浴びることになりました。
果たしてCLTは日本の林業の救世主になれるか?!
期待と不安が相半ばです。
これがCLTです
※CLTとは
ひき板を幅方向にたくさん並べて大きな面をつくり、接着剤を塗って、その上にひき板(ラミナ)を直交させて積層する。この操作を繰り返すと、厚く大きな面材料であるCLTが完成する。(日本農林規格(JAS規格)での名称は、「直交集成板」。現在、国内では2.7m×6m(畳10畳分)のCLTを製造することが可能。)