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現場レポート:岩忠建設株式会社 視察

ブログ 2021.04.12

2020年12月24日(木)

こんにちは! 今回のレポート担当は、林業女子会@さがの門脇恵です。

関東から佐賀へ移住して7年。佐賀のお山(三瀬村)での暮らしは毎日とにかく楽しいです。

今日は佐賀県西松浦郡有田町にある岩忠建設株式会社さんへ視察に伺った様子をレポートしたいと思います。

 

 

 

まずは、製材業からご紹介。岩忠建設株式会社さんには、全国的に数が少なくなってしまった手引きの製材機があります。直径70cmまでの丸太がこの機械で製材できるそうです。この道40年の職人さんが丸太を1本1本微調整しながら美しい木材を仕上げる技術はまさに職人技。原木の曲がりやクセを見ながら少しずつ刻んでいくそうです。1度製材し、乾燥をしてからもう1度数ミリ単位で製材しなおすことで、より正確にくるいのない木材を仕上げるそうです。



岩忠建設さんの木材の特徴の1つはバイオマスエネルギー(太陽光発電)を利用した35度の低温乾燥を行っていることです。

天然乾燥は昔から木材に使われている技術。自然と木材を乾燥させることにより、木の良さを最大限に活かすことができます。色、艶、保湿、保温、抗菌作用。神社仏閣が古くからその形をとどめているのは、まさにこの天然乾燥をした良質な木材を使用しているからこそです。

一方で、天然乾燥はどうしても乾燥させるのに時間がかかってしまいます。欲しい時に欲しい木材が手に入りづらいうえに、場所をとる木材を天然乾燥させるには土地も時間も手間もかかります。

そこで今一般的に流通している木材の乾燥方法。それが高温乾燥です。高温処理をほどこすことで、短い時間で木材を乾燥させます。一定の品質を維持し、安定供給を可能にする。現在の木材市場のニーズを考えると一概にどちらが良いとは言えません。

この天然乾燥と高温乾燥のいいとこどりをしたのが、岩忠建設株式会社さんが導入している低温乾燥庫です。太陽光発電で作り出した電力により倉庫を35度の低温に維持し、木材の細胞を壊さずに、通常の天然乾燥よりも早く乾燥させることができます。

倉庫の中に入ってみると、木の良い香りとほどよい暖かさが気持ちよく、いつまでも倉庫の中に入っていられそうでした! ぽかぽかの太陽の下で森林浴をしているような気持ちよさ。バイオマス低温乾燥庫で健康を維持する新たな健康法が考案されるかもしれない! と思うくらいにバイオマス低温乾燥庫の中は快適でした。岩忠建設株式会社さんでは、こうやって乾燥させた木材を、常に10棟ほどの家が建てられるくらいキープしているそうです。すごい!!

低温乾燥庫も素晴らしいのですが、お隣に併設された牛舎をリノベーションしたホテルとカフェも素晴らしかったです! 木材屋さんだからこそできるぜいたくな木の使い方で、さりげなくおしゃれにDIYされた家具が素敵でした。身体に優しい薬膳カレーを昼食にいただいたのですが、とっても美味しかったです! 他では食べられない、スパイシーながら身体にさらっとなじむ深い味わいでした。



そして、外壁の木材がさりげなく無節で美しいことにテンションが上がる林業女子たちはちょっと変わっているかもしれません(笑)。

惚れ惚れするような素敵な外壁でした!

最後に、建設中の岩忠建設株式会社さんの分譲住宅地にお邪魔しました。なんと20棟を越える分譲住宅地のすべてを岩忠建設株式会社さんが手掛けているとのこと!!

土地の確保、設計、製材、建設、庭の整備に太陽光システム、道路工事まですべてが岩忠建設株式会社さん1社でできてしまうんです。分譲住宅開発というよりは、もはや村建設に近いのではないかと思いました。

なぜこんなに幅広い事業展開をされているのですか? と聞いたところ「木材を使おうと思ったら建築が必要だし、家を建てようと思ったら土地が必要だし、道を作ったり造成も必要になるから、必要なものを1つずつできるようにしていった結果」とのことでした。凄すぎてただただ圧巻されるばかりです。

また、現場には業界では少ないと言われている若手の大工さんや、女性の建築士さんも多く、皆さん元気に楽しそうに活躍されていました。家を建てることを通して、地域に根付く若いファミリー層が増え、地域の若手には就職口を提供する。岩忠建設株式会社さんは木材だけでなく、地域と人とを、ゆるやかにあたたかく巻き込みながら循環させている素晴らしい会社さんなのだとわかりました。

佐賀にこんなに面白い会社があるということに感謝と驚きが隠せません。とっても勉強になる1日でした。岩忠建設株式会社の皆様、ありがとうございました!