佐賀の林業
佐賀県の森林・林業・木材産業の概要
1.森林・緑の現状
- 本県の森林面積は、約11万haで県土面積の45%(森林率)
- 全国平均の森林率66%に比べると低い→貴重な緑資源
- 人工林の占める割合(人工林率)は66%で全国一
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県土に占める森林の割合
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民有林における森林資源現況
- 所有者形態 国・公有林(25%)、私有林(75%)
- 人工林の面積 40年生を中心としたピラミッド型の構成
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所有者別森林面積割合
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県内人工林の齢級別森林面積
齢級:林齢を一定の幅(5年)にくくったもので林齢1〜5年生までを1齢級、6〜10年生までを2齢級、以下3齢級、4齢級と称する。 ※佐賀県森林・林業統計要覧
2.森林整備担い手の現状
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林家戸数(単位:戸、%)
戸数 割合 総数 11,181 100% 農家林家 8,093 72% 非農家林家 3,088 28% (200年世界農林業センサス)
※森林を1ha以上所有する林家戸数 -
林業就業者の推移(国勢調査)
3.木材需給の現状
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林業産出額(木材)の推移
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素材価格及び伐出業労働賃金の推移
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木材自給率の推移(全国)
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新設住宅着工戸数の推移
公共財としての森林
1.森林の持つ多面的機能とその評価
森林の主な働きを評価額で表すと、
- 全国 年間約70兆円(平成13年日本学術会議による試算)
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佐賀県 年間約3,793億円(上記と同様の手法による推定値)
⇒ 県民一人当たり年間約44万円もの恩恵を森林から受けている
主な機能 | 全国 | 佐賀県 |
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二酸化炭素吸収 | 1兆2,391億円/年 | 89億円/年 |
化石燃料代替 | 2,261億円/年 | 14億円/年 |
表面侵食防止 | 28兆2,565億円/年 | 1,672億円/年 |
表層崩壊防止 | 8兆4,421億円/年 | 370億円/年 |
洪水緩和 | 6兆4,686億円/年 | 433億円/年 |
水資源貯留 | 8兆7,407億円/年 | 365億円/年 |
水質浄化 | 14兆6,361億円/年 | 693億円/年 |
保健・レクリエーション | 2兆2,546億円/年 | 157億円/年 |
合計 | 70兆2,638億円/年 | 3,793億円/年 |
地球温暖化防止における森林の役割
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「京都議定書」
日本は、平成20年から平成24年までの間の温室効果ガスの排出量を、平成2年の水準と比較して、6%削減することを国際約束 -
「地球温暖化対策推進大綱」
森林による二酸化炭素の吸収により、1,300万炭素トンを確保 - 「緊急間伐5カ年対策」「間伐等推進3カ年対策」の推進
- 「地球温暖化防止森林吸収源10カ年対策」
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- 健全な森林の整備
- 保安林等の適切な管理・保全等の推進
- 木材及び木質バイオマス利用の推進
- 国民参加の森林づくり等の推進
- 吸収量の報告・検証体制の強化 など
間伐等の森林整備や木材利用の推進が必要不可欠
森林の持つ多面的機能の一例
地球温暖化防止機能
- 二酸化炭素の吸収源、貯蔵庫の役割を持つ
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木材 ‥加工等に要するエネルギーが極めて小さい
廃材や端材‥バイオマスエネルギーとしても活用可能
土砂災害防止機能
- 森林の下層植生や落葉が、地表の浸食を抑制
- 土砂の流出や崩壊を防止
水源かん養機能
- 降水の貯留、河川の水量の平準化、洪水や渇水の緩和
- 森林土壌を通過することによる水質の浄化 など