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【施工】有限会社夢木香/【設計】有限会社夢木香2級建築士事務所

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E邸 優秀賞一般社団法人佐賀県木材協会代表理事会長賞

環境の世紀21世紀にふさわしい住宅仕様の家。施主の要望にそえるよう何度も打合せを重ねよろこびのお言葉を頂いた住まい。

住宅の特徴(紹介)

この住まいは、合板やビニールクロス、外材を一切使用せず、主要構造部は国産の杉と桧、壁は竹小舞で組みました。土壁にして、仕上げは銀杏草を炊き、上スサや藁スサと鹿島産の貝灰を混ぜ合わせ漆喰を造り、漆喰塗で仕上げています。仕上げは木と紙と土とを目指し、外窓や屋根の他は、呼吸する自然素材で仕上げています。塗料も亜麻仁油やエゴマ油を使い、外壁は弁柄と松煙や渋柿などを使った古色塗で仕上げています。現在は高気密高断熱が主流ですが、効率がいいように見えて機械機器を使わないと住めない家になっております。エアコン等の機械機器を極力使わないで暮らせる住まいづくりを目指しています。それが、環境の世紀21世紀にふさわしい住まいだと考えます。

住み手の思いを汲んだところ

何回も弊社の見学会やイベントに参加していただき、住まいづくりに賛同していただいていましたが、いかに施主様の要望に応えるかということに気を遣いました。計画段階から詳細設計において何度も図面を提示し、打合せを重ねて現在の住まいが出来上がりました。今冬、「暖房はあまり入れなくても本当にあたたかく暮らしています」と喜びの言葉を頂きました。

木材(特に県産木材)の利用を工夫したところ

弊社は製材業も営んでいます。丸太を伊万里市場や佐賀木材から仕入れ、規格外の製品は弊社で製材します。佐賀県内の市場で買う製品がすべて佐賀県産材ではないが、出来るだけ佐賀県産材を使い、若い大工職人や左官職人を育てながら、多くの製材業が縮小していく中で、丸太を生かすことに取り組んでいきたいと思います。

木材を使用した箇所(外装・内装)

内装箇所/構造部はほとんど、自社で製材しました。丸太組の梁、大きな柱や桁、仕上げ40mmの床板、15mm厚みの鎧張りの外壁板など、市場に流通していない材を製材します。床、壁、天井以外は漆喰壁の左官仕上げです。漆喰以外の所は、杉板か桧板仕上げです。家具もできるだけ手作りで、おもに杉材で造ります。

■住宅概要/敷地面積 287.33㎡・延床面積 86.53㎡
木材使用量(㎥)

全体使用量/23.45

うち県産木材(㎥)

全体使用量/16.35
うち構造材/10.42
うち内装材/3.78
うち外装材/2.15

審査委員講評

日本の住宅と木材の関係について大切に考えておられ、県産木材を使用し、自然の中で環境に配慮した住宅という点で素晴らしい。県産木材にこだわり、夏涼しく冬暖かい家づくりに徹しておられる所に感心した。