S邸 優秀賞ふる郷の木づかいプロジェクト会議委員長賞
【施工】株式会社ルームデザインファクトリー/【設計】ルームデザインファクトリー建築士事務所
日本家屋の持つ機能美を現在に照らし合わせた住まい。『終の棲家』という事で流行に流されない日本家屋を目指して。
住宅の特徴(紹介)
住宅の本来あるべき姿をデザインしました。住む事は雨風をしのぐ事であり、永くその性能を発揮する為の屋根形状を考慮しています。建物を軽くする、メンテナンスを容易にする為、3寸勾配のアスファルトシングル葺きにしています。夏の厳しい日差しを遮り、冬の暖かな日差しを取り込むように軒の出を2.150確保しました。内部外部共に杉をふんだんに使い木材の経年変化を見てふれて楽しめる様に材料を選びました。内部木製建具も全て無垢材で造り50年先100年先にも職人の手でメンテナンスできる様にしています。
住み手の思いを汲んだところ
『終の棲家』という事で流行に流される事のない日本家屋の持つ機能美を現在の法律に照らし合わせました。開き戸は一つもなく引き戸にして田んぼの田の字を基本としたシンメトリーな構造で剛性を確保しています。メンテナンス、維持にお金のかからない一生つき合う平屋を設計しました。
木材(特に県産木材)の利用を工夫したところ
構造材は全て4寸角(120×120)の県産材を使用し佐賀の風土にあった材料を選定しました。永く住む為に必要な事を考え、既製品を使用する事なく木の良さを感じる事を一番に設計、又施工を行いました。
木材を使用した箇所(外装・内装)
22条地区でしたので、梁、桁、軒裏に杉材を使用しています。構造材の梁成360軒裏には杉の羽目板をよろい貼りにしています。
内部には厚さ24mmの杉板、脱衣、パントリーの壁、天井には燻煙処理した杉材を使用しています。建具枠、廻り縁、巾木も全て杉材を使用しています。
全体使用量/23.30
うち構造材/13.70
うち内装材/1.20
うち外装材/8.40
全体使用量/21.80
うち構造材/13.70
うち内装材/1.20
うち外装材/6.90
審査委員講評
住み手の生活を考えながら体に優しい材質、間取りになっており、「終の住処」のコンセプトにあっている。作り手のシンプルかつ合理的なコンセプトが反映された家で、メンテナンスを続ければ50年先、100年先も住み続けることが出来る“ホンモノ”の家。