I邸 最優秀賞佐賀県知事賞
【施工・設計】株式会社小渕建設
県産材の杉を使い暖かで優しいモダンな空間を演出。
住宅の特徴(紹介)
施主様のご実家が老朽化もあり改築する事となり、分離型二世帯住宅を建てる事となりました。二世帯という事もあり1・2階のLDKにそれぞれの大黒柱を設けて、解体時に採取した古材梁を新しい家に再利用し受け継ぐ事が出来ました。敷地が狭く間取り的にも広く取る事が出来なかった為、室内空間には多くの佐賀県産木材を使用し『木の温かみ・心地よさ』を感じ取れる住居となりました。
住み手の思いを汲んだところ
『近くにいる安心感を持ちつつ、互いの生活スタイルを維持しながら気兼ねなく暮らせる家』が施主様からの要望でしたので、1階に親世帯・2階に子世帯を配置しました。町中というのもあり、近隣から のプライバシー配慮・採光採風の計画・防犯対策など色々な事をしましたが、その中で室内空間に県産木材をふんだんに使い『木で囲まれた家』ができ、 施主様も大満足の家に仕上げる事が出来ました。
木材(特に県産木材)の利用を工夫したところ
構造材は勿論のこと、玄関に入ってから県産木材の壁板・天井格子との間に古材梁を再利用し、壁天井に向けて間接照明を設けて『朝は朝陽に照らされ杉材の木目が美しく見え、夜は間接照明の光を浴びて木の温かみを感じる』空間となりました。LDKでは古材梁を支える様に大黒柱を配置し、天井には県産木材の杉板を全面に張りリラックス出来る空間となりました。又、収納部分にも調湿・消臭効果を期待して使用しています。
木材を使用した箇所(外装・内装)
1. 玄関A-内装の天井
2. LDK-A-内装の大黒柱・床
3. トイレA-内装の床
4. 寝室A-内装の床
5. クローゼット-内装の壁天井・床
6. 玄関B・ホール-内装の柱・壁・床・天井
7. LDK-B-内装の大黒柱・壁・床・天井
8. トイレB-内装の床・天井
9. 寝室B・子供室AB-内装の床
10. 木製建具枠
全体使用量/32.71
うち構造材/24.03
全体使用量/15.83
うち構造材/15.34
内装材面積/45.42
審査委員講評
街中の住宅ということでプライバシーを配慮し、かつ商業地域ということもあり防火対策や照明計画がうまくプランニングされている。木づかいがよく、古材使用がよかった。旧宅の松材を活用するなど家族の想いを汲み、環境への配慮を感じられる部分がよい。室内に県産木材をふんだんに使い、街中にあっても家の中に入ると木の温もりを感じられる素敵な家。