T邸 最優秀賞(佐賀県知事賞)
【施工・設計】古川建築株式会社
木組みの美しさが映えるナチュラルモダンの家
住宅の特徴(紹介)
高台に佇む中二階の木の家で、テラス窓から広がる青空と薪ストーブが温もりを演出します。広々としたデッキとテラスからは、美しい川上橋を一望することができます。また、白い塗り壁と木枠が自然と調和し、程よい高さの勾配天井が空間に奥行きを与えています。自然と一体感を感じるロケーションの元、この木の家で生活すると温かさと青空が織りなす穏やかな日常を過ごすことができます。
住み手の思いを汲んだところ
この住宅は、玄関から土間リビングに至るまで、温かな家族の気配が感じられる心地よい配置となっています。薪ストーブが置かれた土間リビングでは、家族が集まり、アットホームな雰囲気が広がります。また、川上橋を一望できる解放感あふれる間取りが、住まいに開放的な魅力を与えています。特にLDKでは、薪ストーブの炎を眺めながら食事を共にし、家族団欒のひとときを大切にする空間が演出されています。
木材(特に県産木材)の利用を工夫したところ
構造を現しにしました。LDKには一階から二階天井まで伸びる佐賀県産木材の桧の六寸角大黒柱を用い、また梁と梁を組み合わせ木組みの空間を綺麗に見せました。構造材のボルトと金物はみせず組みあげ、見える部分は木栓を使用することで細かいディテールまで括りました。木をふんだんに使用し和風になり過ぎないよう、「今の若い人に木の家おしゃれだね。」といっていただけるようなナチュラルなデザインに仕上げました。
木材を使用した箇所(外装・内装)
内装は杉の無垢材と真っ白のエコロジー再生紙を壁に用いて、明るく、ぬくもりのあるデザインに仕上げました。玄関・室内も木製建具を作りました。
構造は四寸角仕様で普通の木材より大きな木材を使用。自然乾燥の材木を大工さんが吟味しながら加工しています。ダイニングテーブルとキッチンを一体的に製作しました。家具もすべて大工さんの手作り。外壁も杉板を張りました。構造材も表とし適材適所に限られた材料を美しく見えるように配置しています。
全体使用量/28.00
うち構造材/20.1
全体使用量/23.60
うち構造材/15.60
外装材面積/2.00㎡
内装材面積/6.00㎡
審査委員講評
山間にある渓谷を望める高台に佇む中二階建て。LDKは天井まで伸びる県産ヒノキ材の大黒柱から梁が四方に走る美しい木組みの空間が広がります。構造を露出した現しの梁は、空間に立体感をもたらし、自然光が木のあたたかみを増長させています。内壁はスギの無垢材と真っ白なエコロジー再生紙を使用して明るいデザインに。アイアンなどの素材と木が調和し、伝統工法を主軸としながらもモダンな雰囲気があるのも魅力です。