W邸 優秀賞(佐賀県木材協会長賞)
【施工】WAKIYAMA建設/【設計】糸島建築一級建築士事務所
木の風合いとデザイン性が融合する住まい
住宅の特徴(紹介)
2階にリビングのある総2階建ての住宅です。
総2階建てだとデザイン的に特徴のないものになリやすいですが、 外壁と焼杉とサイディング、 開口部、 庇等を組み合わせて、 特徴のある外観としました。木材以外も、 外壁や漆喰壁、 コンクリート、 モルタル、 鉄などの素材の表情のある材料を使っています。また仕上も職人さんの手仕事によるものなので、同じものをもう一度建てても、 同じような家になっても、 オリジナルの表情のある家となっています。
住み手の思いを汲んだところ
単にたくさん木をつかっただけでは、 山小屋のような野暮ったいデザインにしかならないですが、 材料を使い分けることで表情豊かなシャ ー プな家になったと思います。
木材(特に県産木材)の利用を工夫したところ
焼杉に使った杉は県産木材で、現場に対して柔軟に対応できるとのことで通常より細い幅でオー ダーしました。100mm程度の巾なので、通常よリシャ ープな印象になリました。
また、床はフローリングが4mの長さのものを使用し、梁間方向は4間を採用。棟の通リ芯で継いで、継ぎ手をそろえる簾張りを採用しました。4mの杉板が取れる県産材ならではのデザインとなっています。
上記以外でも、あらわしの梁や2階天井、階段の踏板、建具等で木材を使うことで、木目のプリントされたシートやクロスにない、自然な表情の家となっています。
木材を使用した箇所(外装・内装)
外壁、床、2階天井、階段、枠、建具、家具
全体使用量/14.77
うち構造材/14.77
全体使用量/9.13
うち構造材/9.13
外装材面積/25.48㎡
内装材面積/80.83㎡
審査委員講評
100%自然素材の外壁と焼杉、サイディング、開口部を組み合わせた斬新な外観が目を引きます。焼杉に用いた県産のスギは、細い板幅に加工してシャープな印象に。床材は県産スギ材の長さが映えるすだれ張りにするなど、木の特性を活かした工夫が満載です。間取りに応じて素材を使い分けることで、スタイリッシュかつオリジナルの表情がある家に仕上がっています。